減量中、体がだるくてトレーニングを始める気になれない。
ジムに来ても、なかなかスイッチが入らない。

そんな経験はありませんか?

減量中にだるくなるのは
単に意志が弱いからではありません。

エネルギー不足に対して身体がブレーキをかけている可能性があります。

僕の場合、そのブレーキを一時的に外す「起爆剤」として、
ウォームアップ後の最初にデッドリフトを行うことがあります。

今回は、大会44日前のトレーニングを振り返りながら、

  • 減量中に身体がだるくなる理由
  • デッドリフトを最初に行う理由
  • 大会に出ない人に勧めたい減量の着地点

について、医師として考えたことをお話しします。

どうも、筋トレ医師のともひでです。

この記事の結論

減量中のだるさは、
エネルギー不足に適応して、身体が消費を抑えようとしているサインかもしれません。

僕はウォームアップ後のデッドリフトを起爆剤にして、
トレーニングのスイッチを入れることがあります。

ただし、大会に出ない人が日常生活に支障が出るほど減量する必要はありません。

大会44日前の減量トレーニング

自分は8月30日に開催される
医師だけの筋肉大会「筋肉医局祭」のフィジーク部門に出場します。

このトレーニング日は、大会まであと44日。

この日は、デッドリフトからトレーニングを始めました。

僕は減量中、ウォームアップをしたあと、
最初のメイン種目にデッドリフトを持ってくることがあります。

なぜなら、デッドリフトが起爆剤になって、倦怠感が飛ぶ感覚があるからです。

減量中に身体がだるくなる理由


減量中って、だるいんです。

これは身体がサボっているというより、
エネルギー不足に対して、身体がブレーキをかけている状態だと考えるとわかりやすいです。

これを医学的に考えるうえで、参考になる病気があります。

神経性食思不振症。いわゆる拒食症です。

神経性食思不振症では、客観的には明らかに痩せていても、
本人は「まだ太っている」と感じてしまうことがあります。

その結果、

  • 極端に食事を減らす
  • 食べたものを吐く
  • 何時間も運動を続ける

といった行動につながる場合があります。

もちろん、大会に向けて計画的に行う減量と、神経性食思不振症は別物です。

ただ、エネルギーが不足したときに、
身体が消費エネルギーを抑えようとする方向には一部重なる部分があります。

治療が難しい理由

多くの病気では、患者さんと医療者が一緒に、
「病気を治す」という同じ方向を向いて治療を進めます。

しかし神経性やせ症では、

医療者は命を守るためにカロリーを摂ってほしい。
一方で、本人はカロリーを摂りたくない。

という状態になることがあります。

まず治療の方向を向いてもらうことや、
本人と医療者で妥協点を探すこと形になり、治療に苦戦しやすい病気です。

「命を守る」というのは、大げさではありません。

低栄養による重い合併症を起こし
場合によっては命に関わる病気です。

世界的な超有名人でいえば

カレン・カーペンターが32歳で亡くなったのは
この病気のせいとされています。

身体のアクセルを緩める甲状腺ホルモンの変化

エネルギーが枯渇しているとき、身体の中では、
甲状腺ホルモンの働きが低下する方向へ変化することがあります。

甲状腺ホルモンは、簡単にいえば、
身体のアクセルを踏むようなホルモンです。

甲状腺ホルモンが過剰になる病気では、

  • 代謝が高まる
  • 脈が速くなる
  • 汗をかきやすくなる
  • 体重が減る

といった症状が現れることがあります。

反対に不足する病気では、

  • 代謝が低下する
  • 寒がりになる
  • 身体がだるくなる
  • 体重が増える

といった症状が現れることがあります。

神経性食思不振症などの強い低栄養状態では、
甲状腺ホルモンが低下することがあります。

これは、数少ないエネルギーで生きられるように、
身体がアクセルを緩めて燃費を上げようとしている状態です。

だから、身体がだるくなる。

しかし、それは身体を守るための反応でもあります。

甲状腺ホルモンについての注意

なので神経性食思不振症で見られる
甲状腺ホルモンの低下した数値だけを見て
自己判断で甲状腺ホルモンを補うのは危険、やってはいけないこととされています。

基本的には、低栄養そのものを改善することが重要になります。

僕の身体も大会に向けた減量で、
この「消費エネルギーを抑える方向」に、少し近づいているのかもしれません。

デッドリフトを起爆剤にする感覚

一方で、ずっとだるいままでいいかというと、
トレーニングをする日は、そういうわけにもいきません。

この飢餓状態で生き残るシステムは、
おそらく狩りをしていた時代にも役立っていたはずです。

普段はエネルギーを節約する。

しかし、獲物を見つけたときには、
エネルギーを得るために活発に動かなければいけない。

そういうときには、アドレナリンやノルアドレナリンなどのカテコラアミンが分泌され、
交感神経が優位になって、身体が一時的に活動しやすい状態になります。

デッドリフトは、本気を出さないとバーベルが上がりません。

だから僕の場合は、デッドリフトを行うことで、
身体が「今は動かなければいけない」という状態に切り替わる感覚があります。

実際、高重量トレーニングでアドレナリンやノルアドレナリンといったカテコラミン、ホルモンが上昇することが文献で報告されています。1)

起爆剤になって倦怠感が飛ぶ。

そのため、減量中は最初のメイン種目として、
デッドリフトを持ってくることがあります。

減量中に筋トレをしていると、
人ってホルモンの影響を受けているなーって、いつも考えます。

大会に出ない人へ勧めたい減量の着地点

話していて改めて思うのは、
過度な減量は、大会に出るのでなければ行わない方がいいということです。

大会に向けた減量では、

  • 身体がだるい
  • 力が出にくい
  • 食事のことばかり考えてしまう
  • 日常生活の余裕がなくなる

といった状態になることがあります。

これは、健康になるための一般的なダイエットとは違います。

大会を目指さない男性であれば、僕は体脂肪率15%前後を、
一つの実用的な目安として考えています。

肥満状態から改善して、腹筋がうっすら見える。

身体が軽く感じられて、
日常生活で強いエネルギー不足も感じない。

見た目と健康、生活のしやすさのバランスが、ちょうどいいくらいです。

ただし、家庭用の体組成計で表示される体脂肪率は、
測定条件によって大きくブレます。

数字だけで判断せず、

  • 鏡で見た身体
  • 同じ条件で撮影した写真
  • ベルトの穴の位置
  • 日常生活での体調

も合わせて判断してください。

まとめ
  • 低栄養状態では、身体が代謝を抑える方向へ変化することがある
  • 減量中のだるさは、エネルギー不足に対する身体の適応だろうと考えています
  • 僕はデッドリフトを、トレーニングの起爆剤として最初に行うことがある
  • 大会に出ない人は、日常生活に支障が出るほど絞る必要はない
  • 男性なら体脂肪率15%前後を、一つの実用的な目安として考える

参考資料

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

ABOUT ME
筋トレ医師
神奈川出身。小学校でポケモン、中学校でパワプロ、ファイナルファンタジー、高校でジャグリング、大学でバドミントン、アキレス腱断裂し補助で始めた筋トレに熱中。熱中癖が強いです。筋トレ・ダイエット方法を中心に、趣味関係や読書感想を発信しています。