子どもに勉強してほしいけれど、スマホやゲームばかりで、なかなか机に向かわない。

「本人が勉強を好きになるまで待つしかない」
「勉強を好きになることなんてあるの?」
と思っていませんか?

実は、勉強は好きだから続くとは限りません。

少し始める。少しできるようになる。意味が見つかる。
その結果として、あとから少し楽しくなることがあります。

この記事では、医学や心理学の研究と、
医学部受験や医師国家試験を経験した僕自身の体験から、

  • 退屈を味方に
  • 初心者ボーナス
  • 未来の勲章

という、勉強が楽しくなる3つの方法を紹介します。

まずは5日間だけ試すことで、
ただ耐える勉強を、自分の成長を感じられる時間へ変えていきます。

好きになってから頑張る?

今日は、少し乱暴に言います。

「勉強が好きになったら頑張る」

と思っているうちは、たぶん一生始まりません。

なぜかというと、勉強が嫌いな子にとって、

「好きになったらやろう」

というのは、

「晴れたら傘を買おう」

くらい順番が変なんです。

始めるから楽しくなる

好きだから続く。

これはもちろんあります。

でも多くの場合は、特に勉強の場合は順番が逆です。

  • 少し始める。
  • 少しできるようになる。
  • 意味が見つかる。
  • その結果として、あとから少し楽しくなる。

これです。

勉強は地味な我慢大会

勉強は、キラキラ青春イベントではありません。
最初はだいたい、鉛筆を持った地味な我慢大会です。

自分も最終的に医学部受験や医師国家試験で
1日何時間も勉強しました。
ただし、それが出来たのは、なんだかんだ楽しいこともあったからです。
ただの我慢大会では無理でした。

でも最初から全部楽しかったわけではありません。

自分の実体験の話ですが

中学受験のために小学生の時に塾に行ってました。
塾でクラスにいるだけ、家ではほとんど勉強してなかった。

しかもその塾は、席順が成績順で
小学生にしてはゴリゴリの競争社会

最初、母に早めに算数を教わったりしたから
前の方だったんだけど、どんどん成績落ちて後ろに行く。

はじめは「頭いいね」って言ってくれた友達に
抜かれていく。
挙句の果てにクラスまで落ちる。

下のクラスになったときは
トイレや廊下で元のクラスの子に
会いたくないから部屋にこもる。

じゃあ、その悔しさをバネに勉強したか
って言ったら、それでも勉強しなかった。
そのくらい怠惰だった。

最初から「勉強って楽しい」と思えたら理想ですが、
現実にはそんな子めったにいません。

ただし、

上達を実感しやすくすること。
続けたくなる意味を見つけること。

これはできます。

すると少しずつ勉強に楽しさが芽生えます

今日は、そんな勉強が楽しくなる方法を
医学や心理学の研究と、僕自身の経験を合わせて
3つ紹介します。

早速行きましょう!

勉強が楽しくなる方法1つ目

勉強が楽しくなる方法1つ目は

退屈を味方につけることです。

スマホ、ゲーム、ショート動画は
勉強より悪いから禁止するのではありません。

勉強と同じ場所で選べる状態にあると
あまりにも選びやすいから遠ざけます。

机の上にスマホを伏せて置き
「通知が来ても見ません。」

漫画が棚にあって
「漫画読みません」

というのは

ダイエット中に唐揚げを目の前に置いて
「食べない練習です」
と言っているようなものです。

それは修行です。僕は3秒で食べます。
唐揚げを大人しく、しまいましょう

スマホは別の部屋に置きます。

勉強を好きにする前に、まず勉強以外のものを強すぎる場所からどかす。

ここが入口です。

休憩中のショート動画

ここから私の実体験ですが
ポモドーロタイマーを使って勉強することがあります。

25分勉強して5分休憩とか
50分勉強して10分休憩って方法です

その休憩時間にスマホで動画を見てたんですが、
これ休憩になりません。

5分のつもりが45分後へ移動するワープ装置になります

しかも、移動した先でちょっと罪悪感を背負っています。

たとえ5分でやめられたとしても、次の25分の開始、
とても腰が重い実感がありました。

ただ逆に5分ただぼーっとする。

3-4分経過した頃からソワソワします。
不思議なんですが、勉強したくなります。

「そんな馬鹿な」って思うかもしれませんが、
想像してほしいです。

ぼーっとする。目の前には勉強机と勉強道具だけ
しばらくしたら退屈すぎて勉強しませんか?

ただし、そこにスマホがあったら、これが楽しい。勉強なんて退屈

さっきのダイエットでいうと
からあげ、ドーナツがあったらそれを食べる

サラダとチキン、玄米みたいに健康的な食事は味が弱いってなる。

でもお腹がすいていて、その健康的な食事しかなかったら
それを食べるし、美味しく感じる

それに近いです。

勉強だけが見える環境

なので

勉強する環境

勉強する場所を勉強道具だけにします。

漫画が見えるような本棚ではなく収納にしまいます。

「家に勉強する専用のスペース?そんなスペースないよ」
という場合も、せめて目に見えないようにするのは大事です

そしてスマホは別室です。

スマホやゲームを使う順番

では、勉強が終わったらスマホやゲームを使ってもよいのでしょうか。

スマホゼロできれば理想ですが現実的ではないと思います。
また最初のきっかけとしては使えます。

予定した勉強が終わったら自由時間
と先に決めておきます。

そして退屈を味方にするために
1日のうちの順番は勉強の後にスマホやゲーム

まずはこの配置、順番をやってみてください。

勉強が楽しくなる方法2つ目

勉強が楽しくなる方法2つ目は、

初心者ボーナスを自分で作ることです。

物事は、楽しいから上達するだけではありません。

上達するから、楽しくなることもあります。

有能感と勉強への意欲

7万9000人以上を含む144研究のメタ解析では
学生の自律的な意欲を予測する要素の中で

「有能感」、自分には能力があるという感覚。

例えば、

  • 「やればできる」
  • 「前より解けるようになった」

がもっとも強い要素という結果でした。1)

つまり、

  • 「分かった」
  • 「昨日より解けた」
  • 「前より速くなった」

という感覚は、次の勉強への燃料になります。
これを作りに行きます。

最初ほど成長しやすい時期

成長というのは一般的に
このような曲線をたどることが多いです

イメージで言うと
20年練習した熟練のピアニストが数日の練習で
成長を実感するのは難しい

でもとくに勉強が習慣でない子は
数日でも出来ることが増えます。

ボール3個で得た最初の成功

ここで実体験なんですが
僕の勉強ができるきっかけはジャグリングです

僕がジャグリングを始めたとき
ボール3個ができるまで約1週間でした。

4個は1か月。

5個は半年かかりました。

7個は2年かかって数秒でした

もし最初の3個にも半年かかっていたら
たぶん僕のジャグリング人生は
かなり早い段階で閉幕していました。

ボール3個ができた。
達成感があった
友達に見せたら驚かれた。

その最初の成功があったから、7個に2年かかっても続けられました。

人間、最初に少しだけ勝たせてもらえると
その世界に居座りやすいんです。

適切な難易度と早いフィードバックを用意すれば
進歩を実感しやすくなります。

勉強が嫌いな子に必要なのは、いきなり根性を鍛えることではありません。

最初の勝ちを設計することです。

いきなりラスボスに挑まない

じゃあどうやって勝ちを設計するか

具体的に1つ目の方法は、

最初から苦手科目の最難関問題へ突撃しないことです。

最初からラスボスの部屋に入らないでください。

まだ、ひのきの棒しか持っていないのに、相手が試験範囲全体を背負って立っています。

まずは、少し頑張れば解ける問題から始めます。

あるいは

好きな科目を10分やってから、本命の科目へ移ります。

成長の記録

そして、2つ目は
成長を記録します。

記録すること
  • 「今日は何分座れた」
  • 「英単語を昨日より10個多く思い出せた」
  • 「昨日間違えた問題を今日は解けた」

と記録します。

学校の試験結果も使って構いません。

ただし、結果が出るのは数週間後です。
それまで何も得られないゲームは、なかなか続きません。

毎日の勉強に、小さな「勝ち」を置いてください。

パレートの法則

ここで勝ちやすくする方法3つ目はパレートの法則です

結果の8割は
実はやったことの2割から出来ているという法則です。

数値の正確性というよりはイメージ。

結果に出やすい勉強と出にくい勉強ってありますよね。

80点取るまでと80点取ってから100点目指すのは
80点までの方が簡単だと思います。

100点を目指そうとしすぎると
教科書の端っこの単語を覚える必要がある
労力がかかる

もちろん最後は覚えたほうがいいこともありますが
まず、頻出項目、基礎項目、ほかにも波及する項目を優先して
結果が出る楽しさを知ってから。

これは手抜きではありません。
努力の置き場所を決める作業です。

努力が置けるようになってから広げましょう。

勉強が楽しくなる方法3つ目

勉強が楽しくなる方法3つ目は

未来と今日の勲章です

  • 「将来、弁護士になりたい」
  • 「海外で働きたい」
  • 「入りたい大学がある」

そんな目標があるなら、

「今日の英単語30個が、その未来にどうつながるのか」

を言葉にしてみてください。

勉強と未来を結びつける研究

授業内容が自分の生活や将来にどう役立つかを
書く介入をするという研究があります。

「Science」という権威のある雑誌の
ランダム化比較試験では、学習内容の個人的な意味を考えることで、
学習内容の自分との関連性を考えさせる介入をすることで
成功への期待が低い生徒において
興味や成績が改善したと報告されています。2)

教師や親から

「将来役立つから黙って勉強しなさい」

と言われるだけでは弱いです。

言っていることは正しいかもしれません。

でも
正論を段ボールのまま渡されても、子どもは開封しません。

本人が、

「これは自分と関係があるかもしれない」

と考えること

本人あてのプレゼント箱にすることが重要です。

意味は、押しつけるものではなく、自分でつなぎにいくものです。

夢がない場合の勲章

では、夢がない人は勉強を楽しめないのでしょうか。

そんなことはありません。

そこで勲章です。

僕が大学受験で何時間も勉強できたのは、
医師になりたいという目標だけが理由ではありませんでした。

正直に言います。

点数や順位が上がることが、勲章のようでうれしかった。
昨日の自分より上に行ったことが、誇らしかったのです。

ここで大事なのは、点数・順位を使うこと自体は悪くないということです。

点数とくに順位を使うのは、ゴリゴリ競争社会みたいで受け付けない人いると思います
気持ちは分かります。

やっぱり正直言って点数・順位が勲章感は強いモチベーション
ゲーム感覚にさせてくれる要素でした。

順位を100%の価値にしない

ただ、もちろん、点数・順位を100%の価値にするわけではないです。

それだけではつまずいた時に立ち上がれない

ここを間違えると、

「点数が悪い」
「1番のあの子と比べて私は私は」
「自分が悪い」

いつも理想と比べてギャップに落ち込む、これは不健全です。

自分の経験としても高校2年生ではほとんど勉強していなかったのに
勉強し始めて、2時間勉強できるようになり始めたとき

1時間しか勉強しなかった日に

「1時間しか出来なかった。」
「周りには1日3時間も4時間も勉強している人もいるのに」
「なんて自分はダメなんだ」
って責めました。

でもよく考えたら
ほとんど勉強していなかった時からしたら
立派に成長している。

これ、理想や他人と比較100%だと
気をつけないと陥りかねないと思います。

なので
点数が上がることに喜びを感じる

でも
特に落ち込みそうになったときは

「1ヶ月前より勉強できている」
「昨日できなかった問題ができるようになる」

という、過去の自分を見つめる。実際に記録してみる。

理想とのギャップに落ち込むのではなく
今までの足跡をみる

外ではなく内側との比較

前との差だけでなく、後ろをチラチラ見る
これがオススメです!

夢がまだなくても、今日の成長は勲章になります。

大きな夢がないから努力できない、ではありません。

小さな勲章を集めているうちに、あとから夢の輪郭が見えてくることもあります。

まず5日間の実験

ここまで勉強が楽しくなる方法を3つ紹介してきました。

最後にこれらを、5日間だけ試してください。

短くて、始めやすく、実験結果を集められるからです。

いきなり、

「今日から楽しく勉強して人生を変えよう」

と言われると、話が大きすぎます。

人生を変える前に、まず月曜から金曜まで試してください。

5日間、次の3つをやります。

5日間で行うこと
  1. 勉強中はスマホを別の場所に置き、10分から始める。
  2. 毎日、昨日よりできたことを1つ記録する。
  3. 今日の勉強が、自分の未来や目標にどうつながるかを1行書く。

5日後に、

  • 「始めやすかったか」
  • 「少し上達したか」
  • 「もう少し続けたいか」

を振り返ります。

成長、達成感は主観なので

「スマホを触らず机に座って勉強道具を広げることが出来た」

これだけで立派な成長です

効いた方法を、次の1週間に残してください。

合わなかった方法は、根性で続けなくていいです。

それは努力不足ではなく、実験結果です。

試して、残す。

初心者ボーナス、はじめは成長しやすいといったものの
0から1はそれなりにハードルが高いです。

なのでこの3つをまずやってみて、

続けていくうちに初心者ボーナスもあり徐々に楽しくなってきます。

応用編:上級者向け

ここからは応用編、上級者向けにはなりますが
また勉強が進んでくると、時間を忘れて集中することがあります。

これをフローと呼びます。

英語でflow、没頭状態のことです

研究では、学習中のフローは成績、学習への態度、幸福感などと正に関連しています。

関連なので因果関係は断定できませんが

  • 明確な目標がある。
  • 難しすぎず、簡単すぎない。
  • すぐ結果が分かる。
  • 邪魔が入らない。

この条件を作ると、結果として夢中になることがあります。

このフロー状態が
勉強への前向きな態度、幸福感を感じることと正の関連があると報告されています。3)

これはすぐに掴めるものではないですが
続けていくことで、いずれ得られるようになり
楽しくなります

楽しさは設計できる

勉強は、最初から楽しいとは限りません。

  • 分からない。
  • できない。
  • 結果も出ない。

その時期がいちばん苦しいです。

でも、誘惑を遠ざけて始める。
小さな上達を見えるようにする。
その努力を、自分にとっての価値と結びつける。

そうすると勉強は、ただ耐える時間から、
自分が成長している時間へ変わっていきます。

楽しいから努力するだけではありません。
努力の仕方を変えることで、あとから楽しくなることもあります。

これらスマホと距離を置き、努力できる、
それを楽しめることは学生時代の勉強期間で終わりません

社会人になっても生きて、自分に自信をもたらしてくれます

AIやスマホがどれだけ便利になっても
むしろだからこそ
自分で目標を決め、成長を楽しめる力には
強い価値があると私は思います。

まとめ

勉強を好きになる順番は、

好きになる。頑張る。ではありません。

少し始める。少しできる。意味が見つかる。だから、少し楽しくなる。

この順番です。

最初から勉強を好きになれない子は、ダメな子ではありません。

まだ、楽しくなる前の入口にいるだけです。

小児科医として
AI・スマホ時代に、子どもたちが自分の目標を持ち
努力することを楽しめるようになる方法を
医学と行動科学から考えていきます。

また
いやいやここでつまずくんだよと言った点や
質問があれば気軽にコメントしてください

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

  1. Bureau JS, et al. Pathways to Student Motivation: A Meta-Analysis of Antecedents of Autonomous and Controlled Motivations. Rev Educ Res. 2022 Feb;92(1):46-72. PMID: 35330866.
  2. Hulleman CS, Harackiewicz JM. Promoting interest and performance in high school science classes. Science. 2009 Dec 4;326(5958):1410-2. PMID: 19965759.
  3. Xie M, et al. Learning flow in educational contexts: A meta-analysis of its antecedents and outcomes. Br J Educ Psychol. 2026 Sep;96(3):1223-1253. doi: 10.1111/bjep.70075. Epub 2026 Mar 12. PMID: 41815075.
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筋トレ医師
神奈川出身。小学校でポケモン、中学校でパワプロ、ファイナルファンタジー、高校でジャグリング、大学でバドミントン、アキレス腱断裂し補助で始めた筋トレに熱中。熱中癖が強いです。筋トレ・ダイエット方法を中心に、趣味関係や読書感想を発信しています。